トラディショナルでエレガントなインテリアに欠かせないモールディング。
憧れる方も多いのではないでしょうか。

上の写真に写っているのは木製のトラディショナルなデザインの国産メーカーのサンプルですが、ベルギーブランドのウレタン製のコンテンポラリーなデザインのものなどもあり、作り上げるインテリアのスタイルやイメージによって選ぶものが変わってきます。

こってこてのスタイルにはしたくないけれど、端正なエレガントな雰囲気にしたいという場合は、天井と壁をつなぐ『廻り縁 -まわりぶち-』と床と壁をつなぐ『巾木 -はばき- 』にモールディング材を取り入れることをお勧めします。

この2か所にモールディングが入るだけで空間が2ランクアップします。
そしてポイントは巾木の高さです。日本の住宅で使われる巾木は高さが5~7㎝程度のものが多いようです。

 

下の写真、左は弊社の前の前の事務所、右は名古屋のル・プレジール・デュ・パンです。

パリのオスマンのアパルトマンなどは巾木の高さが30㎝を超えるものも多いですが、そこまでの高さの物はなかなかないので、高さを出したいときには複数の材をデザインや厚みのバランスを取りながら重ね付けをします。巾木に高さがあるといっぺんに洋の空間に変身させられますので、天井高が十分にある場合などは特におすすめの、アトリエ ファヴォリではよく使う手法です。

因みに巾木は英語ではスカーティング、床と壁の継ぎ目を隠してくれ、家具や掃除お掃除の際の衝撃からも壁を守ってくれる、車で言うとバンパーのような存在です。最近はモダンなデザインのインテリア向けにうんと小さな目立たない巾木もあるようですが、やはりある程度の高さのものが欲しいわよね、と普段掃除機かけをしていて思います。

しかし、モールディングも1本いくらが積み重なり、大工さん仕事、塗装屋さん仕事と、それなり費用のかかる装飾ですので、全体のコストとのバランスを見つつ選ぶことも大切です。

ではかかるコストはどのくらいでしょう。
例えば、6畳の既存のお部屋の壁紙はそのままに廻り縁と巾木を大工さんにつけてもらい、塗装屋さんにペンキを塗ってもらうします。 当然選ぶモールディングの材や量によって全く変わってきますが、国産のものを使用した場合、材料と工事費で20万円~ を目安にお考えいただけるのではないでしょうか。

お家中は一度には無理だわ、という場合は寝室だけ、トイレだけ、など小さい空間でまずはモールディングの効果を実感していただくのもいいかもしれません。
因みに、モールディングを白で塗装するとトラディショナルな印象に、壁と同じ色だとコンテンポラリーな印象に仕上がります。