6年前にリノベーションをお手伝いさせていただいたお客様。
この数年で脚を少し不自由にされ、「テーブルのデザインは気に入ってるんだけどね、この金属製の脚に足先をぶつけてしまうと痛くてねぇ。木製脚に作り替えは出来ないものかね?」とご相談いただきました。

はい、もちろん出来ます!


こちらは有名イタリアンブランドのコーヒー&サイドテーブル。 スタイリッシュな金属フレームにウォルナットの天板がトレイのように載っている構造です。 気に入ってくださっている天板を活かして、(手を加えることでブランド品ではなくなってしまいますが)新たな木製脚を作ります。

制作をお願いする銘木屋さんの友人にデザインと構造から相談です。
最初に提出した私の案を見てぴしゃりと一言「それでは重すぎて全く動かせないから現実的じゃない。」(笑)。「まだ重い。」「この部分が構造的に無理がある。」とアドバイスを貰いながら千本ノックのようにデザインをやり直すこと数回。 師匠からOKを貰った最終デザインをお客様にご確認いただき、制作へ。

今回一番重要視したのは安定性と安全性でした。万一お客様が足先や膝をぶつけられても倒れることがないように、木のテーブルとはいえ足の上に倒れれば骨折につながります。 そして少しでも足先をぶつけにくいよう、ぶつけても痛くないよう、脚は天板に対して少しでも内側へ。 低い部分は全て角を取り、カーブの角度もデザインのバランスを考慮してミリ単位で指定しています。 

同じウォルナットの脚で新たな姿に生まれ変わったテーブルを「あぁ、この方が断然いいね。やっぱり木はいいねぇ。」と微笑まれるお姿に私の方が嬉しくなりました。 長引く、長すぎるお家時間より快適になることを願っております。