この時期、右岸のメール通りと左岸のサンジェルマン デ プレに多く集まるファブリックや壁紙ブランドのショールームでは一斉に新作が発表されます。 ショールームでは飲み物やフィンガーフードが振る舞われ、世界中からサンプルや見本帳を注文する販売会社や、情報収集をするデザイナーで溢れかえり、華やかな活気の溢れる数日間となります。

各社から発表される新作や、力の入ったウインドウディスプレイの様からその年、そのシーズンのトレンドが色濃く伺われます。
発表されているトレンドとは違うかもしれませんが、私の目に多く映ったのは大きく括るとこの三つ。

・トロピカル再燃 (花鳥風月)
・ピンク
・ジャポニズム

数年前にも多く出たトロピカル柄ですが、今年はそこに鳥の存在が大きく、 またトロピカルに限らず植物柄の多さ。今回フランス国内で色々な方とお話をしていると面白いことに「今は世界がとても早く回っているから…」という言葉をよく聞きました。 それだけ、潜在的に自然の要素が求められているという事でしょうか。

可愛らしいパルテルのピンクから、テラコッタ系のエスニックなピンクまで。ピンクという色の持つパワーは女性にも男性にもとても有効。植物柄と同じく、癒しや活力を高めるという潜在的な要求が今のこの色に現れているのかもしれません。 弊社は椅子の張り替えのご注文がとても多い為、今回ピンクが魅力的な椅子張り生地の見本帳をオーダーしました。

JABやde Gournay等、日本またはシノワズリの要素を色濃く打ち出すブランドや、「コレは僕なりの日本のイメージのデザインなんだよ、君の目には違うかもしれないけど・笑」といったメゾンでの展示などもいくつもあり、日本に注目がされるのがなんだかとても嬉しく感じました。

プロ向けのショールームも多い為、一般の方は中には入り辛いかもしれませんが、世界のトップクリエイターによって作り上げられる世界観が凝縮されたウインドウを眺めて歩くだけでもとても楽しいエリアです。 パリにお出かけの際は是非、メール通りとサンジェルマン デ プレをお歩きになってみてください。